2010年4月に就職してから社会人7年目、現在5社目に勤務していますが、来月また転職するので送別会を開いてもらいました。
参加のメンバーがほとんど中国人でした。言語混在の会話で感じたことと、中国語を勉強するときのモチベーションの上げ方についてまとめます。
※写真は本文と関係ないですが上海のホテルの前で今をときめくシェアサイクル二強の一社、モバイクにまたがるの図。ホテルは一泊7,000円くらいですが最高に居心地が良かったです、おすすめ。
いつも中国関係の勤務先、広がる中国圏な人脈
職場を転々としてしまっているのですが、「中国と関係している」という軸は譲らなかったせいか、中国ルーツの同僚、友人が年々増えていきます。
送別会を企画してもらったのですが、杭州人が発案してくれたからか中国出身が集まってしまいました。
左下から時計回りに、名古屋、台湾、上海、杭州、福建、上海のご出身。
会話は中国語と日本語。10年前後日本にいる方が多かったので、ニュアンスがわからないところは日本語で確認しました。語彙が豊富な分野でないと、聞き取れないのです。
「中国語」はNHKの日本語
こちらの記事でも紹介しましたが、中国語には「方言」と呼ばれる言語があります。
だいたい各省※ごとに「方言」はあるのですが、私の肌感覚だと「省」の中でもさらに細分化出来る「方言」があります。
なので日本人がいう「中国語」つまり普通語は、「方言」を母語に持つ中国人からすると、いうなればNHKで話されている日本語みたいなものだと思うのです。概念としては「標準」があるけれどもそれを体現している人は多くない。
昨日送別会に参加してくれた中国出身のみんなはそれぞれ母語として「中国語」をしゃべっているけれども、各人の話す中国語は細部が少しずつ違っている。だけどそのゆらぎを含めて「母語としての中国語」と捉えている。
※行政区画、日本で言う「県」みたいなものですが実質はEUの「国」と同じだと私は考えます
私がよく中国人と間違えられる理由は「ゆらぎ」の大きさにある
私がよく中国人と間違えられる理由はここにあると思います。
クリアな中国語ではないけれど、その程度の不正確さは中国の中で中国語を話す人にはありうることだから、この人は「中国語」が苦手な中国人かなと判断されるのだと思います。
私の周りの中国人が「そんなに中国語が上手じゃない」と評価することの多い「香港人」ですが、私は中国旅行をしているとよく間違えられるのがまさに「香港人」なのです。
対照的に、母語としての日本語では認められる「ゆらぎ」がすごく少なくて、それゆえに来日して住んでいる外国人の日本語はいつまでも「外国語としての日本語」として捉えられているのではないでしょうか。
「ゆらぎ」になれると会話がスムーズ
12年間中国語を勉強していて、仕事も中国関係の業務に携わることができ、結果として中国各地の人と知り合い交流することができています。北京、大連、瀋陽、ハルビン、吉林、上海、蘇州、杭州、雲南…
最初は語学学習の教材で聞くような中国語でないと聞き取れなかったのですが、だんだん聞き取れる幅がひろがりました。中国語は母語ではないけれども、私の耳が経験を積むことで「ゆらぎ」を含めて音から意味を識別できるようになったのだと思います。
「ゆらぎ」の中には舌の位置も含まれます。中国語には舌を上あごに寄せて出す音があるのですが、北の方が南よりも舌を上に寄せる傾向があります。台湾なんかだとこの「舌を上に寄せる」ということをしないこともあります。※「けんぜつ音」「巻き舌」などと言われます。
私の中国語は基本的には舌を上に寄せて発話しているのですが、昨日は「その話し方では母語話者ぶっているように聞こえる」とコメントされました。
といってもその意見をくれた方は南の方の出身なので、たぶん北のほうの方には「巻き舌が足りない中国語だ」と思われることでしょう。実際に北方を旅行すると南の方から来た人によく間違えられます。(それか香港人)
中国語の勉強をしている人はいろんな地方の中国人と会話をして「ゆらぎ」になれると会話がスムーズになると思います。そして中国語は「ゆらぎ」を許容してくれる言語なので、相手によっては会話の中で「あなたの中国語すごくなめらか」と評価してもらえてモチベーション上がること間違いなしです。
しゃんぷーこと山浦です。 しゃんぷーは山浦の中国語読み。 2007年から1年間北京大学に留学していました。就職後は複数の業界で営業や調査・翻訳など。技能実習生の斡旋とサポートも。直近はWebマーケを担当していました。 以前、まっかちんという名前でライターもしています。現在はoViceというメタバースの会社でPR・マーケを担当しています。